削り体験とは?
削りとは?
皆さんのご家庭にあるお茶碗やお湯呑みなどの器の裏には、丸い台がついています。これを高台(こうだい)と言います。高台はやきものの中でも最も大切な部分の一つです。特に茶道の世界では、高台は鑑賞ポイントとして、非常に重要視されています。
削りは、ロクロで作った作品の高台を削り出します。また、高台以外にも底を削って全体の形と厚みを整えたりします。その後、作品の表面を削ったりキズをつけ、取っ手を付けたりすることで装飾することも出来ます。体験コースで削りが出来る陶芸教室は数少ないですが、うづまこでは陶芸体験が初めての方にも削りのご指導をしています。
なぜ削りが必要なのか?
ロクロで作ったままの作品には、底や表面に粘土が残ったままになっています。このまま作品を乾燥させますと、乾く時にヒビが入ってしまいます。
薄い部分から先に乾き、分厚いところの粘土は乾きが遅いために乾燥の際は、収縮の違いが出てしまい、割れてしまいます。
その他には、作品の表面や底に粘土が分厚く残っていると、手に持った時に重たく感じてしまいとても使いづらくなってしまいます。また、薄すぎてしまいますと水漏れの原因になります。
それらを防ぐために、器は均一な厚さに削って形を仕上げます。
削りのやり方
①ロクロで作った作品は形が変形しない固さまで乾燥させます。乾きすぎてしまうと削りにくいので注意してください。そして、ロクロの上に逆さにし、中心を合わせます
②その後に、削っているときにずれない様に粘土で器の口 の部分とロクロ接地面を粘土で3点固定します。
③高台になる部分の表面をまずは平らに削っていきます。
④高台の大きさを決めます。この時に器に対して大きすぎるとバランスが良くなく、小さすぎると大変不安定な器になってしまいます。 好みにもよりますが、口径の半分~3分の1の大きさの中で作っていきます。
⑤高台から口にかけてのカーブを整えながら、削っていきます。
⑥高台の内側を削っていきます。この時に底に穴をあけない様に、確認しながら削ります。
⑦厚さが均等になり、形が整ったら表面を滑らかにします。
⑧最後に底にサインを彫って完成です。
動画でみる削り方
削りではこんなことも出来ちゃいます!
削り終わった作品は、粘土の状態の時に様々な装飾をつけることができます。
掻き落としによる文様や、浮き彫りや透かし彫り、しのぎ(鎬)紋や面取り、飛び鉋(かんな)、更には、櫛目など作品の表面を削るもの。白化粧という白い泥を全体にかけたり、刷毛で塗ることも出来ます。
また、取っ手をつけることもできるので、ティーカップや壺、取っ手付きのデカンター、水差しも作ることができます!
高台のデザインも自由!
ペアのぐい飲みでも、色を変えるだけでなく高台のデザインもおそろいにするだけでこんなに変わります!高台一つでおしゃれな器になっちゃいます。
器の表面を削ってみる!
こちらは、面取りという技法。高台を削った後に表面を弓で切り落としたり、たたき板で叩いて面を作ります。大胆な形が出来やすいのと、誰でも簡単に器の形の印象を変えることが出来ます。
面取りよりも細かな技法で模様をつけることが出来るのが鎬(しのぎ)と言う技法です。
この技法では、表面を削ったり、溝を作ったりすることで細い溝や滑らかな曲線を描くことができますので表情豊かになります。また、釉薬によっては溝に釉薬が貯まりやすくなるので、色の変化も楽しめます。
取っ手が付けられます!
さらに、削りでは模様を彫ったりするだけでなく、取っ手をつけることも出来ます。
取っ手を付けるとマグカップやティーカップ、スープカップなどが作れます。こちらは、高台を削り出した後にお好きな形の取っ手が付けられます。また、花瓶や小鉢、植木鉢などにも取っ手を自由にデザインしてつけることが出来ますので、今まで見たことのないような取っ手も付けることが可能です!