本漆!金継ぎ会員コース
金継ぎ会員コース
4人までの少人数で本漆を使った本格的な金継を学ぶことが出来ます。漆芸を専門的に学ぶ教育機関はとても少ないですが、うづまこ金継ぎ教室では東京藝術大学工芸科漆芸専攻卒業のジャン先生を講師としてお迎えしました。
初回では1~5個程度の作品をお持ちください。その中から、1~3点の作品を選んで同時進行で作業をしていきます。作品が少ない場合はオプションで器をご購入いただくことも可能です。
月謝は材料費込み(金・銀粉を除く)で、道具代も最小限。気軽に金継を始められます。
会員料金表
入会金
5,500円(税込)
うづまこ陶芸教室の会員の方は無料
道具代
3,300円(税込)
筆3本、へら3本
※道具代以外の道具、材料費は料金に含まれております
月謝
金継ぎ入門コース・継続コース共通
(お支払方法:クレジットカード自動引落)
月2回(通常全10回) 15,400円
追加1回(10回で終わらない場合) 8,800円
曜日と第1・3週か第2・3週の固定となります。
但し、月に1回まで別日に振替え可。
粉代
真鍮紛(金色)、スズ紛(銀色)は料金に含まれております。
金、銀粉はご自身でご購入いただきます。
教室から購入される場合は下記の価格になります。
※時価の為、目安の価格になります。
金消粉 0.1g \ 2,500円前後
金丸粉 0.1g \ 3,500円前後
銀消粉 1g \ 2,000円前後
銀丸粉 1g \ 3,000円前後
(1) 入会金は1度だけのお支払いとなります。一度入会されると、ご家族の方も一緒にチケットをお使いいただけます。
(2) 追加1回のチケットは退会の前にレッスンが足りない時にのみ購入可能です。
(3) 返金は残りのチケット代から手数料3,300円を引いた金額になります。有効期限が切れたチケットの返金はできかねますのでご了承ください。
お申し込む際に必ずご確認ください
このコースでは、本うるしを使用いたします。体質や体調によっては後日皮膚がかぶれてしまう可能性があります。講師の指示に従っていただき、出来るだけうるしのついた手で髪の毛を触ったり、素肌を触ったりしないようご注意ください。 うるしでかぶれてしまっても、教室では責任を負いかねますので、ご了承の上ご参加ください。
講師紹介

山代奈穂美(ジャン先生)
Naomi Yamashiro
担当日:月・木・日
東京藝術大学美術学部工芸科漆芸専攻 卒業
〈ひとこと〉
こんにちは、ジャンです。
大学で漆芸技術を学んだ後、うつわ専門ギャラリーに務め陶磁器についても学んできました。
金継ぎは壊れてしまった器を直せることも魅力ですが、日常から離れ目の前の作業に没頭する時間を過ごせることが最大の魅力だと感じています。
初めての方にもわかりやすく、丁寧に指導させていただきます。
アクセス

うづまこ陶芸教室別館の右側にある細道を進むと、金継ぎ教室への茶色のドアがあります。そのドアから階段を登り、別館2階にお進みください。
教室へ向かう際、昔ながらの日本家屋特有の急な階段がございますので、足腰の不自由な方はご注意ください。
〒105-0014
東京都港区芝3-29-10 大中ビル2F





金継ぎとは
金継ぎについてお話ししていきます。
金継ぎ(きんつぎ)は、金繕い(きんつくろい)とも言われていますね。
漆(うるし)を使って、割れたり欠けたりした茶碗や皿、カップなどを修理する技法です。伝統的な方法では漆を主な接着剤として割れをくっつけたり、欠けたところを埋めたりします。
小麦粉やこめ糊、木粉、麻糸を細かくしたものなどを混ぜパテ状にしたものを使って器を修復していきます。
知らない人もけっこういるんですが漆というのはウルシの木の樹液なんですよね。
「ウルシ搔き(かき)」という職人が一本一本の木の幹に傷をつけ、にじみ出てくる樹液を何日もかけて集めます。そうやって、やっと一本の木からとれる漆の量は、わずか180~200mlです。200mlと言ったら、ペットボトルの飲み物が500~600mlですから、そのはんぶんにも満たないんです。これが漆が高価な理由の一つですね。貴重な自然の優秀な資源です。



金継ぎの歴史
金継ぎというと金のかたまりを溶かして、それで直していくと思っている人もいらっしゃると思いますが、そうではなく、最後の仕上げのときに装飾として金粉を使います。この金属の粉を漆に蒔いてつけることは、蒔絵(まきえ)技法といいます。
そもそも、「継ぐ」という行為が初めに行われたのがいつだったかわわかりませんが、縄文時代の遺跡から破損した土器が漆で接着されていたものが出土しているようです。
この継いで直すということと、蒔絵という技法が合わさり、今呼ばれている金継ぎになりました。
どうして傷を隠さずに目立たせるの?
わからないように直せばいいのに?
だいたい修理するなるべく目立たないようにしますよね。
(中には、漆で本体と似たような色を作り、なじませるような継ぎ方もあります。)
わざわざ傷ついた部分を直して、蒔絵をする。
これには、お茶に世界が関係しているともいわれています。
お茶碗や壺などの金継ぎで繕った部分を「景色に見立て」新たな名前をつけました。
修繕した跡にすら美を見出したのです。感性のたまものですね。
こうして脈々と現代まで続いているのです。





漆芸技法
このように本物の金継ぎは漆芸技法(しつげいぎほう)の一つです。それに代わって最近では職人でなくても簡単にできる、漆のように見える合成塗料や、接着剤を使用する「簡易金継ぎ」という方法で食器を直す人も増えてきていますね。漆に比べかぶれる心配がなく、すぐに直すことができます。
簡易金継ぎに対して本物の漆を使った場合「本金継ぎ」といわれることもあります。こちらは、色々な自然素材を使い工程が多いです。また硬化時間も長く修復の期間が長くなります。
なぜ時間がかかる?
漆は乾燥するのではないんですよね。硬化します。そして硬化するのに湿度と温度が必要なんです。普通に考えて乾かすというと、風に当てたり、乾燥した場所に置いて水分を飛ばします。でも漆では逆です。湿度70%以上、温度20~25度に保たれた「室(むろ)」とか「ふろ」とよばれる空間でゆっくりゆっくり硬化させます。
伝統的な金継ぎの工程は
たとえば、まず割れや欠けの部分をやすりで整えてから漆を吸わせます。そこでかわかすのに1日。次に漆と小麦粉、水をまぜた「麦漆(むぎうるし)」を使って割れた陶器などをくっつけます。この乾燥(硬化)には数週間かかります。完全に乾いたあと、欠けているところや、くぼんでいるところを、木の粉と漆を練って合わせた「刻苧漆(こくそうるし)」でうめます、また数日乾かす。さらに「錆漆(さびうるし)」。そして塗りと研ぎを何度か繰り返して、最後に蒔絵をします。
こうやって工程の一つ一つに時間がかかるため、全体として2,3か月を要します。複雑なものの場合半年以上かかる事もあります。
時間をかけ丁寧に丁寧に作業をして、欠けたり割れたりした器に再び命を吹き込んでいくんですね。
金継ぎは、大切な思い入れのあるものが壊れてしまったときに。時間をかけて修繕して、再び大切に扱っていける技法です。