こんにちは、金継ぎ講師のジャンです!

 

東京タワー近く、港区三田の

うづまこ陶芸2階「うづまこ金継ぎ教室」で、

天然の漆を使った伝統的な金継ぎを教えています。

 

先日の金継ぎ教室で

海外からお越しのお客様から、

こんな質問をいただきました。

 

「Is this Gum?(これって、ガムですか?)」

 

 

あるいは日本語で「ゴム(Gomu)?」

と仰ったのかもしれません。

 

通訳をしてくれていたボランティアさんが、

すぐに答えてくれました。

 

「No,it’s not. Urushi is Japanese lacquer.」

(違いますよ、漆は日本の塗料です)

 

もちろん、通訳さんの答えは正解です。

 

漆は、輪ゴムやタイヤなどの原料の

ゴムとは違いますからね。

植物学的にも別ですし、用途も違います。

 

ただ、私はそのやり取りを聞きながら、

 

「ん?いまゴムって言った?」

 

私は超日本語専門家wwwなので(笑)

自分の全く心許ない

理解にもとづいて

心の中でひそかに驚いていました。

 

(ガム……実はその表現、

科学的にはめちゃくちゃ鋭いぞ!)

と。

 

 

というわけで今日は、

「漆(うるし)」という不思議な樹液の

正体についてお話しします!

 

「ゴム」と言いたくなる気持ち、、、

わかるんです。

 

なぜ、お客様は「Gum(ガム)」「ゴム」だと

思ったのでしょうか?

 

そもそも、「漆」は「うるしの木の樹液」です。

天然ゴムも、ゴムの木からとれる樹液からできています。

 

そして実は、

漆の採取する「漆掻き」(うるしかき)は、

ゴムの木から樹液を採る姿とそっくりです。

 

なので、漆掻きの画像を見て

「あれ?ゴムなの??」

と思われるのも納得なんです。

 

どちらも木が傷ついた時に

自分を守るために「樹液」が滲み出てきます。

自然な状況下では、その樹液が固まって

かさぶたの様になり木は身を守ります。

 

私たちは、ゴムも漆も

その命を守る樹液が固まる前に

いただいているわけなのです!

 

科学的に見ると「Gum」は大正解!?

 

 

そしてここからが、漆(金継ぎ)専門家として

お伝えしたいマニアックな話なのですが、

 

実は、漆の成分を分析すると、

「Gum」が含まれているのは事実なんです!

 

少し専門的になりますが、

漆は主に3つの成分でできています。

 

1.ウルシオール(固まる主成分)

2.水

3.ゴム質と酵素

 

この「ゴム質」は、

漆の中で水とウルシオールを仲良く混ぜ合わせる、

いわば「つなぎ」の役割をしています。

 

含有量は数%から十数%ほどですが、

確かに「ゴムの親戚」のような成分が

漆の中には存在しているのです。

 

つまり、

お客様が言った「Is this Gum?」という質問は、

成分的には「Yes!(の一部が含まれています)」

も正解なのです!

 

核心を突いた質問に、

私は内心ドキッとしていました(笑)。

 

成分に「ゴム質」を含んでいる漆。

では、固まるとゴムのように弾力が出るのでしょうか?

 

ここは面白いところで、

産地によって性格が違います。

 

日本や中国の漆に比べて、

ミャンマーやタイなど東南アジア産の漆は、

この「ゴム質」の割合が高い傾向にあります。

 

固まった後も多少弾力のある仕上がりになります。

現地ではその柔軟性を活かして、

竹細工のコーティングなどに使われています。

 

もしかすると、お客様はアジアの他の国で、

そういった「ゴムっぽい質感の漆」に

出会ったことがあったのかもしれませんね。

 

「じゃあ、やっぱり漆はゴムなんですか?」

 

と聞かれたら、

私の答えは「NO」になります。

 

成分は似ていても、

「固まり方」と「仕上がり」

決定的に違うからです。

 

ゴム:乾燥して水分が飛ぶと固まります(物理変化)。

漆:空気中の水分を取り込み、酵素の力で化学反応を起こして固まります。

 

特に日本産の漆はゴム質が少なく、

主成分の「ウルシオール」が非常に豊富です。

そのため、化学反応で固まった後は、

硬く、磨けば深みのある美しい艶が生まれます。

 

「Is this Gum?」

 

お客様の何気ない一言が、

漆の成分や、

日本独自の「硬く固まる漆」の特異さを

改めて思い起こさせてくれました。

 

教室では、そんな不思議で奥深い

漆という樹液を使って、

世界に一つだけの器を直す体験をお届けしています。

日本の伝統的な魅力を、ぜひ体感しに来てください。

クラスや体験についてはコチラから

Instagramもぜひフォローお願いします!

 

 

うづまこ金継ぎ教室

 

 

 

年内は2025年12月28日(日)まで休まず営業いたします。
お休みは2025年12月29日(月) から 2026年1月3日(土)になります。
2026年は1月4日(日)10:00から営業します。

Web予約は年中無休で受付けておりますが、
お問い合わせや予約確認などの返信は1月4日より順次させていただきます。

どうぞよろしくお願いいたします。

こんにちは、金継ぎ講師のジャンです!

東京タワー近く、港区三田のうづまこ陶芸2階にオープンしている

「うづまこ金継ぎ教室」で、天然の漆を使った伝統的な金継ぎを教えています。

 

 

前回は、会員のEさんが、なぜ金継ぎを始めることになったのか、

興味を持ったきっかけを教えていただきました。

今日は、

金継ぎをやってみた感想をお聞きしました!

今回もEさんの言葉でお届けします。

ぜひ最後まで読んでいってください。

↓↓↓

 

いよいよ始まった金継ぎ。


私は、友人のお母様が大切に使われていた

萩焼のお茶碗

(→看病しているお兄様が誤って食洗機にかけられて…いくつもの欠けが出来てしまった物)

と、新しく届いた時に、

既に注ぎ口が欠けていた残念な備前焼の急須を選びました。

 

金継ぎを教えてくださる先生は、

東京藝大卒の専門家!

本格的金継ぎ!

 

…….といっても、私には

始めるまでは「本格的と、なんちゃって」の

違いも分かりませんでした。

 

欠けたりヒビの入った箇所に金のペーストを塗って埋める、、、

なんて思っていて、そんなレベルでした。

 

私が教わったのは、本格的金継ぎで「欠け」の補修でした。

工程はぜんぶで10回。

 

全てが繊細で細かな作業で、

ただひたすら角度を変えてみて彫刻刀や

柔らかい砥石でバリを取ったり漆を塗ったり、

 

して漆風呂と言う、

湿度の保たれた場所で3日以上漆を乾かす、を繰り返します。

工程が進むにつれ漆の種類も変わり、

先生の指導なしには一度では進めない作業。

 

私的には綺麗に平らに削れていると思っても、

先生の目にかかると全然ダメ。

 

前の回の漆に軽く傷をつける様に平らになる様に削る。

日本の伝統工芸、そんなに簡単では無いですね。

削っては塗り、削っては塗り、

一つの作品が完成するまでの工程、時間が長いのです。

 

でも、10回目、

先生の助けが多かったのは否めないけど、

出来上がった金継ぎはとても嬉しく、

直す前とは別のもっと素敵な作品になりました。

 

因みに仕上げは、金粉、銀粉、錫分など選べます。

私は器に合う金粉にしました。

 

友達と友達のお母さんはとても喜んでくれて、

「大切に大切に使う」と、

とうもろこしご飯をよそった写真を送ってくれました。

 

急須は素敵で、まだ使わず飾ってあります。

もっと沢山金継ぎした作品を、

飾りとしてでも増やしたいと思いました。

 

 

おわり

 

ぜひご興味があれば、

体験はコチラ>>

お教室はコチラ>>

うづまこ金継ぎメインページは、コチラ>>

  こんにちは、金継ぎ講師のジャンです!

東京タワー近く、港区三田のうづまこ陶芸2階にオープンしている

「うづまこ金継ぎ教室」で、天然の漆を使った伝統的な金継ぎを教えています。

 

今日は、うづまこ陶芸会員のEさんが、

金継ぎも始めた、きっかけを教えてくださいました!

きっと、あなたも「私も興味ある~」と

共感して下さる部分があるかなと思ったので、

Eさんの言葉のまま、お伝えします。

↓↓↓

 

金継ぎ、やってみました!!


4年前のコロナ禍、東京に引っ越して、

慣れていなくて、知り合いも居なくて、、、

引きこもりの病んだ私は、

うづまこ陶芸教室を見つけたんです。

 

陶芸は、昔からやってみたい事だったので

すぐに体験に行きました!

 

そしたらはまってしまって、、、

会員になりました。

ボランティアをしながら陶芸を続けています。

 

陶芸と同じく大人の素敵な習い事を探していたんです。

そして気になっていたのが ”金継ぎ” 

 

ネットで見つけた時、

大人の素敵な習い事✨と惹かれました!

 

 

壊れたり欠けたお茶碗やお湯呑が修復できる上に、

伝統工芸品の様に生まれ変わるのだと!

 

 

大切な器のヒビや欠け、割ってしまったりする事、有りますよね。

その器、、、高価だったり、

思い出の品だったり、

セット物だったり、、、

 

捨てられず置いておいて、、、

何年後かに諦めてサヨナラ、、、なんて事ありませんか

 

 

それから、そのネットで見た金継ぎって、

なんだかとても素敵な芸術作品に生まれ変わって、

普通のお茶碗がめちゃくちゃ素敵なんですよ!

 

そんな時、某テレビの趣味の番組で

パンサーの菅さんがチャレンジされていたんです!

 

思ったより、いえ、思っていたのとは全然違って、

「めっちゃ奥が深くて、先生が中々okしてくれない!」

って言っておられて、

 

「削っては、未だ未だと注意され何時間も何日もかかっていて、

テレビ的に短く編集されているから実際は本当に大変なんだから!!」

っておっしゃっていました。

 

それで益々興味を持ちました。

ちょうどその頃、

以前見たサイトの大人の習い事を何度か見ていたところ、

陶芸の教室でも金継ぎ教室をする事になると聞きました。

 

「やってみますか?」 

「はい!!」

 

という事で、ついに金継ぎを始めることになりました。

 

つづく

 

うづまこ金継ぎ教室のご案内はコチラ>>から

こんにちは、金継ぎ講師のジャンです!

東京タワー近く、港区三田のうづまこ陶芸2階にオープンしている

「うづまこ金継ぎ教室」で、天然の漆を使った伝統的な金継ぎを教えています。

 

さてさて、前回まで2回にわたって、

ちまたで話題(?)の「簡易金継ぎ」に、

漆の専門家が挑戦した体験記をお届けしてきました。

第1回の「欠け編」では、

エポキシパテの匂い、ベタつき、そして形を整える難しさに悪戦苦闘し。

続く第2回の「割れ編」では、

エポキシ接着剤の硬化速度との戦い、破片の位置合わせ、

そしてはみ出し処理の困難さに直面しました。

 

今回は、これらの簡易金継ぎ体験を通して私が感じたこと、

すべて包み隠すことなく総括し、

 

日々、漆と向き合っているプロの視点から、

「簡易金継ぎと伝統的な漆金継ぎの違い」。

そして「金継ぎ」の意味について、

超個人的な正直な気持ちで語りたいと思います!

 

ぜひ最後まで読んでいってください^^

※全部読んで欲しいですが…結論だけ知りたい方は、

目次から「まとめ」にすすんでください。

 

目次

 

1.体験で感じた、簡易金継ぎの共通の「オドロキ!」

欠け修理と割れ修理、どちらの体験でも

素材であるエポキシや付属の道具からくる共通の「驚き」がありました。

(1.) 素材(エポキシ樹脂)の特性

刺激的な匂いとベタつき

天然の漆とは異なる、化学的なツンとした匂いは、作業中ずっと気になりました。

また、エポキシパテや接着剤のベタつきも強く、手袋にまとわりつき、

細かな作業に集中できませんでした。

 

硬化速度の速さ

これが最大の難敵かもしれません!

作業時間がめちゃくちゃ限られます。

特に割れの接合では、素早く正確な判断と作業が求められますね。

慣れていないと、破片がずれたまま固まってしまったり、

はみ出した接着剤が拭き取る間もなく固まってしまったりします。

 

(2. )作業性の驚き

繊細な作業の難しさ

 硬化が早いこと、素材の扱いの難しさ、そして付属の筆の質のせいで、

器の曲線に沿った滑らかな線や、正確な接合は非常に困難でした。

 

はみ出し処理の困難さ

はみ出した部分をきれいに除去するのが至難の業です。

無理に削ろうとすると、器本体を傷つけるリスクも伴います。

盛ったエポキシパテ部分のヤスリがけにもコツと根気が必要だったり。

はみ出したり、盛りすぎたりすると、後からの修正が非常に困難でした。

 

「手軽」という印象とは裏腹に、「綺麗に仕上げる」ためには、

漆の作業とはまた違ったの習熟と工夫が必要だと痛感しました。

 

 

2.「蒔絵」と「金色の絵の具」ここが最もちがう

簡易金継ぎ体験を通して、私が漆の専門家として最も強く違いを感じ、

皆さんに伝えたいと思ったのは、「金色の表現」に関する決定的な違いです。

簡易金継ぎのキットで使う金の装飾は、まさに「金色の絵の具」です。

絵の具を筆につけ描いていくのです。

しかし、伝統的な金継ぎは、単に金色の塗料を塗るものではありません。

 

漆で線を引いた上に、金粉や銀粉を蒔きつけて定着させる

日本の伝統技術「蒔絵(まきえ)」という技法を使います。

 

伝統金継ぎの「蒔絵」とは?

  1. 下地の漆: 接着や欠け埋めを終えた後、金粉を蒔きたい部分に「呂色漆(ろいろうるし)」や「絵漆(えうるし)」といった専用の漆を薄く塗ります。
  2. 金粉を蒔く: 漆が乾ききる前の、ちょうど良いタイミングで、毛棒や綿を使って金粉を丁寧に優しく蒔き(まき)つけます。
  3. 磨き: 漆が完全に固まった後、余分な金粉を払い取り、さらに薄く漆を塗って磨くことで、輝きを引き出す技法もあります。

 

このように、伝統金継ぎの金色は、

漆の層に金粉がぎっしりと敷き詰められ、

しっかりと定着したものです。

 

その輝きは、筆で描いた合成樹脂の中に金色粉を混ぜた

絵の具とは全く変わってきます。

光の当たり方で表情を変え、しっとりとした上品な輝きが特徴ですね。

 

簡易金継ぎの塗って仕上げる方法は、見た目の質感や味わいが、

本物の蒔絵とは根本的に異なるのです。

※上の画像はの金継ぎは、両方とも金粉ではなく真鍮(しんちゅう)紛を使っています。

 

3.漆金継ぎと簡易金継ぎ:メリット・デメリット

今回の体験を経て、私は改めて両者のメリット・デメリット、

そして役割について考えさせられました。

 

(1.)簡易金継ぎのメリット・デメリット

 

メリット

  • 手軽で早い: 数時間〜1日で修理が完了する。
  • 材料が安価: キット一つで始めやすい。
  • 専門技術不要: 接着剤を使う感覚で作業ができる。
  • かぶれの心配がない: 漆かぶれが心配な人には良い選択肢。

デメリット

  • 見た目の限界:1日2日で仕上げる場合、時間をかける 漆の金継ぎのような自然で滑らかな仕上がりや、上品な輝きは得にくい。
  • 素材の扱いの難しさ: 「簡単」なようで、綺麗に仕上げるにはエポキシ特有の扱いに慣れが必要。
  • 耐久性: 漆に比べて、強度や耐久性が劣る場合がある。
  • 食器としての安全性: 食品衛生法に適合しない材料が使われていることも多いため、直接食品や口が触れる食器には注意が必要と思われます。食器修理というよりは「金継ぎ風の応急処置」と捉えるのが〇。

(2. )伝統漆金継ぎのメリット・デメリット

 

メリット

    • 美しい仕上がり: 蒔絵による、落ちつきある輝きと質感。
    • 高い耐久性: 硬化した漆は非常に丈夫で、長く使えることが多い。
    • 食器として安全: 完全に硬化した天然漆は無害で、安心して食器として使える。
    • 器の歴史を尊重: 傷を隠すのではなく、むしろ活かし、器に新たな価値と物語を与える日本の美意識が息づいている。

デメリット

      • 時間と手間がかかる: 漆の硬化に時間がかかるため、数ヶ月を要する。
      • 材料費: 天然漆や純金粉は高価。
      • 技術が必要: 漆の知識や、蒔絵などの繊細な技術が求められる。
      • 漆かぶれの可能性: 人によっては漆にかぶれることがある。

 

4.まとめ:簡易金継ぎとは?

 

今回の体験を終えて、私の出した結論は…

 

簡易金継ぎは、金継ぎという文化を知る「入り口」として

素晴らしい役割を担っていると思います。

 

手軽さのメリットを生かして、多くの人が手軽に体験できることで、

「金継ぎって面白い」「器を大切にするっていいな」

と感じるきっかけになるでしょう。

 

「割れた器を手軽に繋ぎ、金色の線で装飾を施す」という意味でも、

有効な「補修・装飾方法」です。

ふだん、金継ぎをしている私は今回、

「1日で金継ぎできた!すぐに直せた!」という楽しさがありました^^

 

金継ぎの入り口を体験して、

 

もっと美しく仕上げたい。

もっと突き詰めてみたい。

もっと手をかけてみたい。

そんな気持ちがわいてくるのかな、と。

 

私自身、簡易金継ぎも、

「極めてみたいな」という気持ちが

こっそり湧いてたりします^^

 

でもやっぱり、つきつめていくと

「本物の漆」の金継ぎに気持ちが向かっていくかもしれませんね。

 

そんなあなたを、

うづまこ金継ぎ教室で、お待ちしております!!

 

 

簡易金継ぎにチャレンジしたことで、

「何を求めて金継ぎをするのか」

「教室でどんな時間を提供したいか」

そんなことを、あらためて考えることができました!

 

ぜひ、

漆を使った金継ぎの世界で、

突き詰める楽しさ。

時間をかける喜び。

本物の良さ。

を、体感してください!

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

この体験記が、皆さんの金継ぎに対する理解を深める一助となれば幸いです。

 

[▶▶うづまこ金継ぎ教室のサイトはこちら]

>>【第1回】「簡単」じゃなかった?プロが挑んだ簡易金継ぎ(欠け編)正直レビュー

>>【第2回】漆のプロが挑んだ簡易金継ぎ(割れ編)~すぐ固まる!接合とズレとの戦い~

 

うづまこ金継ぎ教室 ジャン

こんにちは。金継ぎ講師のジャンです。

普段は天然の漆を使った、

伝統的な技法で、器の修理方法をお教えしています。

 

東京タワーのふもと、港区三田の「うづまこ陶芸」2階にオープンしている

「うづまこ金継ぎ教室」で講師を務めています。

 

 

今回は、

金継ぎ講師が簡易金継ぎを体験してみた

という、私の正直なレポートの第二弾をお届けします。

 

いつもは、漆を使った金継ぎしかしない私の

単純な興味から始まった簡易金継ぎの「体験レポート」

なんと!好評いただいておます^^

(うれしい.…)

 

第一弾はこちら▼

【第1回】「簡単」じゃなかった?プロが挑んだ簡易金継ぎ(欠け編)正直レビュー

 

簡易金継ぎ体験記シリーズ第2弾となる今回は、

割れ」の修理に挑戦した様子をお届けしますね。

 

前回の「欠け編」では、エポキシパテの匂いやベタつき、

そして形を整える難しさに悪戦苦闘しました。

 

 

実は.…

今回の「割れ」の修理。

 

さらなる難しさが待ち受けていました!!!!

 

どんなトラップに直面したのか、

私の完全な個人的感想(笑)を交えて

シェアさせてください。

 

 

今回、簡易金継ぎの練習台になってもらうのは、

前回に引きつづき、お猪口です。

 

「割れ」は金継ぎの中でもよくある修理ですが、

いくつもの破片になったものを正確に接合するのは、実は繊細な技術が必要です。

簡易金継ぎのキットでどこまでできるのか、どれくらいカンタンなのか、

興味大!で作業に取り掛かりました。

 

 

作業開始


キットには、接着剤として使うエポキシ接着剤の注射器みたいなもの(?)が入っていました。

注射器(シリンジ)が二連になっているので、同時に押し出すことで、

主剤と硬化剤を同量出せるようになっているんですね。

 

割れ修理で直面する壁①:硬化速度との戦い、接着面の準備

 

いよいよ割れたお猪口の破片を繋ぎ合わせていく作業の始まりです!

 

「えっと、同じ量になるように、2つ同時に押し出すんだよね」

     ッ!!!!

「ちょっ、まって!片方だけ、どんどん出てくる~~」

 

ちょっと焦りながら、押し具合を調節して

なんとか、同量くらい2液のエポキシ接着剤を出しました。笑

 

「では、始めますか。」

 

実はこの時、(私はまだ気づいていないのですが…)

エポキシ接着剤を混ぜ合わせた瞬間から、「時間との戦い」が始まっていました。

 

ツンとした接着剤特有の匂いはここでも健在、

むしろ前回のパテよりもきつく、目にくる感じ、換気はやはり必須です。

 

混ぜて数分もすると、もう固まり始めるなんてことは、全く頭になく。。。

いつもの、漆を使った金継ぎの時のように、

丁寧に丁寧に本体と一つ目の破片に接着剤を塗って、くっつけました。

 

「おしっ、イイ感じ~」

 

つぎに、

二つ目の破片にも接着剤を塗って、、、

「さっき、本体に塗った接着剤が.…

もう固まってる。。」

 

Σ(゚∀゚ノ)ノキャー

 

これじゃ、もう隙間なくピッタリ、きれいに、

とか、無理ですね。。。オワタ

 

本体と破片のくっつく部分同士だけに、手早く接着材を塗って

ピタッと付けなきゃいけなかった…のか。

トキスデニ遅シ。

 

伝統的ないつもの方法では、そもそも「素地調整(そじちょうせい)」といって、

接着の前に割れの表面をヤスリで整え、接着しやすくする工程をはさみますし。

「麦漆(むぎうるし)」など天然の漆を使った接着剤なら、

作業時間に余裕があるため、焦らずに塗布して、じっくりと破片の位置を

調整できるのです。

 

エポキシはあっという間に硬化が始まるため、とにかく「手速く」が求められます。

 

 

割れ修理で直面する壁②:破片の位置合わせと固定の難しさ


①の失敗をふまえて、断面にピンポイントで接着剤を塗り終えたら、

次は破片同士をピタッと合わせて、ズレないように固定します。

 

一度くっつき始めると修正が難しいため、

微妙な位置や角度の調整は、「一度で、正確に!」ですね。

 

でもそもそも、最初にミスって固まったエポキシの層があるので、

どうしても歪みが……

最後の破片なんかは、もうかなり無理矢理、押し込むしかない(汗)

 

ふ~~~、

予想外の事態に、想像以上に神経を使いましたね。

 

こんなに疲れたのに、

「ガタガタ」って、悲しいヨ。。。

 

 

割れ修理で直面する壁③:はみ出した接着剤の処理


接着の時に、どうしても接着剤が少しはみ出しますよね。

このはみ出したエポキシが、また厄介でした。

 

前述の通り硬化が速いため、ふきとる間もなく「カチカチ」。

まだ柔らかいうちなら拭き取れるみたいなのですが、

そんなタイミングで拭きとれる人がどれだけいるの?というのが正直なところです。

 

固まってしまったのところをカッターナイフで削るのは、

器の本体を傷つけてしまいそうになる恐怖と隣り合わせ。

無理に削ろうとすると、

器の表面に傷がついたり、汚く跡が残ったりしてしまいます。

 

だからといって、

優しくカッターを当てても表面でつるつるすべるだけで削り取れません。

 

すべてきれいに取り除くことは諦めることにしました。

 

このはみ出し処理の難しさも、

簡易金継ぎで美しい仕上がりを目指す上で大きな壁のひとつですね。

 

 

仕上げ(金色絵具)


なんとか割れたお猪口を接合し、接着剤の処理を終えたら、

いよいよ金色の線を描く工程です!

 

付属の筆は、毛先がやわらかくコシがないので

前回同様、難易度が高い(=使いづらい…)ですね。

 

割れの線に沿って、器のカーブに合わせて細くキレイに線を描こうとしますが、

思うように筆がコントロールできず、線が太くなったり、ヨレたりしてしまいます。

 

お猪口の内側は、特に難しかったです。

「筆に角度が付けられない&よく見えない。」

もはや、勘で描く!

 

そして、塗料の「金色」ですが、

こちらもやはり前回同様、私が普段扱っている漆と金粉で作り出す輝きとは全く異なる印象です。

これはまた、シリーズ最終回でじっくりお話ししようかなと。

 

 

割れ修理を終えて(中間まとめ)


 

簡易金継ぎキットを使っての「割れ」の修理は、

「硬化速度の速さ」「正確な接合」、そして「はみ出した接着剤の処理」に苦戦しました。

 

「欠け」修理ではパテの成形に苦労しましたが、「割れ」修理では、いかに素早く、正確に、そして綺麗に接着するかという、

また別の種類の「簡単ではない」壁がありました。時間との戦い、とも言えますね。

 

欠け同様、手軽に割れた器をくっつけることはできます。

しかし、器の割れ線に沿ってズレなく、滑らかで美しい線を表現するには、これまた素材への理解、そして練習と工夫が必要だと痛感しました。

 

次回は、この欠け修理と割れ修理の経験を総括し、簡易金継ぎと伝統的な漆金継ぎの根本的な違い、そして「金継ぎ」の意味について、私のプロとしての視点から掘り下げてみたいと思います。

どうぞ、楽しみにお待ちください^^

 

P.S.

 この簡易金継ぎの体験と比較するために、同じような欠けや割れのお猪口を、

伝統的な漆の金継ぎでも修理中です。そちらの様子も、できあがったらご紹介できればと思っています。

 

>>【第1回】「簡単」じゃなかった?プロが挑んだ簡易金継ぎ(欠け編)正直レビュー

>>うずまこ金継ぎ教室

うづまこ金継ぎ教室 ジャン

こんにちは、うづまこ金継ぎ教室です。

東京タワー近く、港区三田のうづまこ陶芸2階に、

金継ぎ教室がオープンしました!

 

今回は、

金継ぎ講師が簡易金継ぎを試してみた

という、私の正直なレポートをお届けします。

 

改めまして、こんにちは。金継ぎ講師のジャンです。

普段は天然の漆を使った伝統的な技法で、器の修理方法をお教えしています。

 

漆と日々向き合う中で、よく目にするのが

簡易金継ぎ」や「かんたん金継ぎ」という言葉。

手軽にできる、簡単そう、といったイメージが先行し、

SNSなどでも多くの方が体験されていますよね。

 

時間と手間をかけて向き合う漆の金継ぎを仕事にしている身としては、

「本物で直せるんだから、わざわざ金継ぎのマネ事をする必要ないよね」と、

その存在は知っていましたが、実際に試したことはありませんでした。

 

しかし、会員さんや体験にいらっしゃる方々から

「漆を使わない金継ぎならやったことがあります」

という声をよく耳にするようになりました。

 

また、友人からは

「簡易金継ぎのセットを買ったけど、いざやってみようと思ったら、よく分からなかった」

「セット以外にも必要なものがあって、結局できなかった」といった話を聞くにつけ、

一体どんなものなんだろう?本当に簡単なの?」「仕上がりはどう?

という純粋な興味と、少しの疑問が膨らみました。

 

そこで今回思い切って、

市販されている「簡易金継ぎキット」を入手し、

実際に自分で使ってみることにしました。

プロの目から見て、この簡易金継ぎがどんなものなのか、

伝統的な漆の金継ぎとどう違うのか。

体験を通じて感じた率直な感想をシリーズでお届けしたいと思います。

 

記念すべき第1回は、器の「欠け」修理に挑戦した様子をお伝えします!

 

 

今回のチャレンジャー


今回、簡易金継ぎの練習台になってもらうのは、こちらのお猪口です。

陶芸教室で色見本として使われていたお猪口。役目を終えて廃棄になるところを救い出しました!ナイスタイミングでしたね。今回はこの子で簡易金継ぎを試してみます。

 

作業開始!

購入したキットを開けてみました。

中にはエポキシの接着剤やパテ、金色の粉(真鍮粉)、合成樹脂、筆などが入っています。

う~ん、なかなかに実験ぽいですね。

 

欠けの修理に使うのは、主にこのフィルムケースみたいなのに入っている

エポキシパテ」のようです。

説明書を読みながら、作業を進めていきます。

 

欠け修理で直面する壁①:エポキシパテの匂いとベタつき

まず、ケースからエポキシパテを取り出して、

主剤と硬化剤を混ぜ合わせた時点での、率直すぎる感想。

くさいな…」です(笑)。

 

普段扱っている天然の漆は、

もちろん漆独特の匂いはありますが、

どこか自然の植物由来の、少し鼻になじむような匂いです。

 

それに対し、このエポキシの匂いは、

いわゆる「化学製品」のツンとした刺激臭。

作業中、段々と匂いにマヒしてきますが、それは危険!気必須です。

 

そして、パテを練って、欠けた部分に詰めようとするのですが、

これがまた大変!「ベタベタ」として手袋にくっついてくるんです。

しかたなく指で触ると、当然指にもネチャネチャとまとわりついてきました。

このエポキシパテの、まとわりつくような

ケミカルなベタつきには、正直戸惑いました。

普段だったら、ヘラでササっと済むところなんですけどね…。

 

簡易金継ぎセットにはヘラはなかったので、

ご家庭で挑戦するときと条件を合わせるために、

指のみで頑張りましたが…ムズカシイヨ

 

欠け修理で直面する壁②:欠けの形を「作る」難しさ

パテを欠けた部分に詰め込んだら、

今度は器のカーブに合わせて滑らかな形に整える作業です。

 

ここも普段だったら、竹ベラの活躍ポイントです!

 

ですが、簡易金継ぎキットにそのような道具はありません。

指で形を整えようとするのですが、これがまた難しい!

 

ベタつきのせいで指にまとわりついたり、

形を作ろうにも「ぐにゃぐにゃ」と不自然な形になったり、

パテの表面にシワが寄ってしまったり…。

 

伝統的な漆の金継ぎで、欠けを埋めるのに使う

刻苧(こくそ)」や「錆漆(さびうるし)」といったパテ材は、

漆に糊や木の粉などを混ぜて作るのですが、

これらは程よい硬さに調節できるので、

もっと自然に、思った通りに形を作りやすいんです。

 

エポキシパテはベタついて変形しやすく、

かと思えばすぐに硬化し始めるので、

悠長に形を追求する時間もありませんでした。

(ここらで、もう疲れてきました…;)

 

欠け修理で直面する壁③:硬化後の切削・研磨の壁

そして、エポキシは乾燥がとにかく早い

少し目を離した隙に表面が硬化してきます。

 

経験者情報で「固まる前に早めにカッターで余分な部分を切っておくと後が楽」

というのを聞いたので、硬化が完全に終わる前に

カッターナイフで形を整えようとしてみました。

 

これもまた、聞いていた以上に難しかったです。

綺麗に「スッ」と切れるイメージだったのですが、

実際はパテがボソボソしたり、カッターの刃が滑って

器の本体を傷つけてしまいそうになったり…。

思い通りにスパッと形を作るのは、なかなかできませんでした。

 

完全に硬化してからヤスリ(サンドペーパー)を使ってみると、

表面を削って滑らかにする作業は、まあまあ可能です。

 

これは普段の金継ぎの研ぎ作業に近い感覚もありますが、

いくつか条件があると感じました。

まず、サンドペーパーの適切な番手の理解と研磨するコツを知っていること。

そして、パテ盛りである程度(いや、けっこう正確に)、

器のカーブに沿った形を作れていること。

 

最初にパテを盛りすぎてしまったり、

ベタつきでできたシワや、逆にパテが埋まっていない箇所があると、

後からヤスリだけで綺麗にするのは、かなりキツイです。

 

というか、埋まってないところはどうしようもない。

パテが残っていれば埋めることもできますが、

後から埋めた部分の境目がどうしても表面にひびいてきますね。

 

漆のように、何度でも塗り重ねて、乾いてから研いで…と

形を追求するような自由さはありません。

まーそもそも、1日で終わるようにできていますからね。

 

仕上げ

なんとか欠けを埋めたパテの形を整えたら、

いよいよ金色の装飾です。付属の筆と金色の塗料を使います。

 

そう!金色の塗料です。?????!!!!?????

 

合成樹脂塗料に金色の真鍮粉(しんちゅうこ)を混ぜて、

パテを埋めたところに塗っていくのです。

説明では完全に絵具と言われていました。「金の絵具…」

 

そういえば、以前に義母がこんなことを言っていました。

「テレビで金継ぎ見たわよ~、金の絵具を塗っていくのねー、綺麗だったわ。」

私は「金継ぎでは絵具は使いません」と答えましたが、

「えー、絵具塗ってたわよ」と話が噛み合いませんでした。悲

 

この瞬間、長年の謎が解けました。

義母が見たのは、まさしく簡易金継ぎだったのですね!

 

というわけで、伝統的な金継ぎでは

金は「塗る」のではなく「蒔き(まき)ます」。

漆を塗って、その漆が乾かないうちに金粉や真鍮粉などの金属粉を蒔くのです。

そもそも、漆だけで器を修復できますが、加飾として最後に金属粉を蒔きます。

 

ではでは、話を簡易金継ぎに戻しましょう。

 

付属の筆は、見るからに扱いにくそうなものでした。

まず短い、そして細い、持ちにくいです。

毛先はこしがなくへにゃへにゃで使いづらいものでした。

 

普段、細い線を描くための蒔絵筆を使い慣れているからかもしれませんが、

思うように毛先がコントロールできず、線が太くなってしまいます。

繊細な線を描くのは、至難の業に感じました。

 

そして、この「金色」の塗料を塗ってみたのですが…

 

正直、普段、漆で描いた上に本物の金粉を蒔いて仕上げる

蒔絵」の輝きや質感とは、全く違うな、というのが第一印象です。

まさに「金色の絵の具」を塗っている、という感覚でした。

(これについては、シリーズ最終回でじっくり書こうと思っています。)

 

欠け修理を終えて(中間まとめ)

初めて簡易金継ぎキットを使って「欠け」の修理をしてみて、

率直な感想は「正直、簡単ではなかった!」です。

 

特にエポキシパテの

匂い」「ベタつき」「思うように形が作れない

切削・研磨の難しさ」「硬化の早さ

といった、

素材の扱いに伴う壁に直面しました。

 

手軽に「くっつけて、金色にしました」という状態にはできますが、

器の曲線に合わせて自然で美しい仕上がりを目指したり、

段差をなくして滑らかにしたりするには、

この材料と工程ではかなり根気が必要だと感じました。

 

むしろ、ある程度綺麗に仕上げるには、

漆での修理とは全く別の、この素材ならではの習熟が必要なのかもしれません。

 

手軽ではあるけれど、美しい「金継ぎ」の仕上がりとは、

隔たりがある、というのが欠け修理を終えた時点での正直な感想です。

 

※お知らせ※

比較のために、ほとんど同じようなお猪口を、漆で金継ぎ中です!

完成したら比較写真を追加しますね。また、読みに来てください^^

 

 

さて、次回は、この簡易金継ぎキットを使って「割れ」たお猪口の修理に挑戦します。

欠け修理とはまた違った種類の困難さがありましたので、どうぞお楽しみに!

 

うづまこ金継ぎ教室

こんにちは、うづまこ金継ぎ教室です。

 

港区の東京タワー近くにある

うづまこ陶芸教室の2階にあります。

 

JR田町駅や都営地下鉄三田線三田駅、大江戸線赤羽橋駅から

徒歩圏内です!

 

大切な器が割れてしまった、欠けてしまった…

 

お気に入りだったのに━━

使いやすかったのに━━

 

そんな時、皆さんはどうしていますか?

 

捨てるしかない…と思っている器に、

 

新たな命を吹き込む日本の伝統技術「金継ぎ」。

 

今日は、

本漆を使った金継ぎを3回で体験された

お客様の様子をレポートします。

 

非日常への入口━━金継ぎ体験が始まる場所


 

都心のオフィス街を抜け、

ひっそりと広がる住宅街にある教室。

日常の喧騒から離れ、金継ぎという

非日常に集中するにはぴったりの場所です。

 

細い廊下を通り抜け教室へ足を踏み入れると、

漆の香りにふんわりと包まれる。

 

・今日から3回かけて繕う器、

 

・ヘラ、筆、

 

・そして主役である漆のチューブ…。

 

初めて、やること、扱うものに

ワクワクと、ちょっとの緊張━━

 

「自分で直せるなんて」

「どんな風になるんだろう」

 

そんな期待と、ちょっぴりの

不安が入り混じった表情で、席に着かれました。

 

「実は、簡易金継ぎの体験は

 地元でやったことがあるんです。

 本物の漆を使えるって

 ホームページでみつけてきました!」

 

そう、金継ぎ体験をやっている場所はけっこうあります。

だけど体験で本漆を使っているところは

珍しいんですよね。

 

そんな中、うづまこ金継ぎ教室では

本漆を使用していきます。

欠けを埋めるパテも漆を使って作っていきます。

 

本格的な金継ぎの工程を少しでも

体験してほしいな~と思い、

本うるしの3回体験を作りました。

 

本来の工程をギュギュっと

短縮して、3回にしています。

 

【1回目】始まりは「けずる」作業から


 

さあ、いよいよ作業開始です。

金継ぎには、漆の木の樹液である「漆」を使います。

肌に触れると「かぶれる」こともあるため、

手袋を着用して、慎重に扱います。

 

「顔や髪、スマホなど直接触らないでください。」

 

「気を付けて進めていきましょう。」

 

本漆金継ぎの最初のステップは、

お猪口の欠けてしまった部分を「埋める」。

その前に、

なんと!一旦「削る」のです。

 

ヤスリを使って、欠けたところの形を整えていくんですね。

仕上がりのラインが、ここで決まっていくので

大事な工程です。

説明を聞きながら、注意深く整えていきます。

 

削りが終わったら、欠けて失われた部分を埋める作業です。

金継ぎの欠け埋めでは、

漆に木の粉や土の粉を混ぜた「刻苧漆(こくそうるし)」や

錆漆(さびうるし)」を使用します。

 

欠けの大きさや深さに合わせて使い分け、

失われた形を想像しながら埋めていきます。

 

3回体験の小さな欠けには、「錆漆」がちょうどいいです。

作った錆漆で欠けを埋めていきますが、

錆漆は泥みたいな見た目をしていて、

埋めていくうちにどんどん黒くなっていきます。

 

「これが本当に綺麗になるのかな…」

 

と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

(大丈夫ですよ!ご安心ください^^)

 

 

お客様は、講師の私がビックリするほど

丁寧に形を再現されていました。

 

こんなに丁寧に進めてくださると、

こちらも熱が入ってしまい

「もう少し綺麗に整うハズです!」

と、ついスパルタ指導になってしまいました。(笑)

 

全ての作業が終わった器は、

漆を固めるための「室(むろ)」と呼ばれる保管棚へ。

 

漆は湿度と温度がある場所で固まる、

という特性のため専用の保管場所を用意しています。

 

1回目の作業を終えて、お客様からは

「細かい作業が楽しい!」と言っていただきました。

自分の手で器と向き合った、金継ぎの第一歩ですね。

 

【2回目】形を整え、漆を塗って金蒔き


1回目の作業から一週間後、

固まった漆の状態を確認するところから2回目はスタートです。

しっかり固まった錆漆は、触るとカチカチになっています。

 

ここからは、盛り上がったり

はみ出たりした漆の部分を削って、

器の形に馴染ませていく「研ぎ」の作業が中心です。

 

クリスタル砥石という、目の細かい軽石のような

専用の砥石を使っていきます。

 

前回の作業で、かなり形ができていたので、

研ぎはあっという間に終わりました。

 

形が整ったら、いよいよ色漆の登場です。

 

赤色漆(あかいろうるし)」を、

これまでの修理の線に沿って丁寧に塗っていきます。

 

なぜ赤色の漆を塗るのかというと、

この上に金を蒔いた時に、より金の色が映えるためだと言われています。

 

細い筆を使って、滑らかな線を描くように塗る作業に、

お客様は真剣な眼差しです。

 

修理の線が鮮やかな赤色になることで、

器の傷がまるで新しいデザインになったかのように見え始めます。

 

いよいよ、金継ぎのハイライト「蒔き(まき)」の作業!

赤色漆の上に、金属粉を蒔きます。

 

今回使うのは、真鍮粉という金色の粉です。

金粉を蒔くこともできます。

その場合は、より上品な仕上がりになるでしょう。

 

筆に粉を含ませ、漆を塗った部分に優しく落としていきます。

この瞬間、お客様の目が輝きました。

 

「わあっ!」という小さな歓声が上がることがよくあります。

漆に粉が付着する様子は、まさに魔法を見ているよう。

粉が乗ったら、さらに上下左右様々な方向から

金を乗せていき隈なく蒔いていきます。

最後に余分な粉を払って、今日はおしまい。

 

【3回目】磨き、完成へ!


2週間後、仕上げの日です。

この日までに、うづまこスタッフが「カタメ」という作業をして、

金属粉が剝がれにくくしています。

 

今日は仕上げの一手、「磨き」です。

メノウ(天然石)で、前回蒔いた真鍮粉の上を磨いていきます。

石を使って粉の凹凸を滑らかにしていくんですね。

 

この工程によって、金色の輝きが増していきます。

 

そして…ついに完成です!

割れて痛々しい姿だった器が、

たった3回の体験で、金色が美しく入った、

世界に一つだけの器へと生まれ変わりました。

 

お客様が自分の手で蘇らせた器を、

愛おしそうに眺める姿がとってもステキで印象的でした。

うづまこ金継ぎ教室

 

P.S.

 

皆さんも、お家に眠っている

「いつか直したいな」と思っている器はありませんか?

 

うづまこ金継ぎ教室では「体験コース」だけでなく、

ご自分の器を繕う「会員コース」もございます。

 

金継ぎを通して、

その器に新たな物語を与えてみてみませんか。

 

こんにちは、

うづまこ金継ぎ教室です。

 

東京タワーの近く港区三田の

うづまこ陶芸の2階に

金継ぎ教室がオープンしました!

 

今日は、

金継ぎ教室の「体験コース」について

紹介いたします。

 

コンセプト


1回or3回のコースで、

本格的な金継ぎの一部分を体験できます。

 

レクチャーを通して、漆の歴史や

伝統文化について学ぶこともできます。

 

金継ぎ体験では珍しい、

本漆を使うことのできるコースです。

 

カリキュラムの詳細


■体験1回コース

 

金継ぎの仕上げの工程の部分である、

粉を蒔く「蒔絵」(まきえ)の体験です。

 

お猪口のキズを筆を使って漆の線を描き覆います。

漆が乾く前に金粉などの金属粉を蒔きます。

 

粉を蒔いた状態で桐箱に入れて、

当日お持ち帰りしていただきます。

完成までは、1週間ご自宅の暖かい場所で

保管して漆を硬化させます。

 

■体験3回コース

 

欠けたお猪口を3回で直す体験です。

 

本格的な金継ぎでは10回程度かかる工程を、

ぎゅぎゅっと短縮して3回にしました。

 

漆は乾くのに時間がかかるため、

1回の体験毎に1週間から2週間

あいだをおいて約一か月で完成です。

 

教室のこだわり・特長


丁寧な指導を受けられる、少人数制のクラスです。
講師は芸大で漆芸を学んできていますので、

漆のことを総合的に理解しています。

 

材料道具は教室で準備していますので

手ぶらでOK!

※ご注意※

髪が顔にかかる方は、漆がついてしまう危険があります。

漆かぶれ予防のために、髪をまとめるか

カチューシャなどをお持ちください。

 

 

体験コースの種類


1回コース

 

3回コース

 

 

料金


■1回コース 11,000円 

料金に含まれるもの

お猪口1点、うるし、真鍮粉、錫粉、木箱、保冷バック

 

オプション

金・銀粉をご使用の場合は別料金となります。

金消粉+2,750円

銀消粉+550円

 

■3回コース 27,500円 

 

料金に含まれるもの

お猪口1点、うるし、真鍮粉、錫粉

 

オプション

金・銀粉をご使用の場合は別料金となります。

金丸粉+3,850円

銀丸粉+1,100円

 

教室内で使えるもの


金継ぎに必要な材料や道具は教室で用意したものをご使用ください。
エプロンや作業着、アームカバー、手袋もございます。

※髪留めはご自身でご用意ください。※

 

お申込み方法と問い合わせ


うづまこ陶芸のホームページをご覧ください。コチラ≫

【SNS】

・Instagram ・X

 

最後に


うづまこ金継ぎ教室では、少人数で学ぶことができます。

日本の伝統文化・伝統技術に触れてみませんか。

 

金継ぎで割れてしまったり欠けてしまったりした

大切な器を直せるのは、もちろん嬉しいことです。

さらに、漆を使って時間をかけて直すことで

より一層愛着が深まります。

 

更にさらに、

スピード重視・マルチタスクばかりの現代で、

目の前の作業に集中して時間をかけて

1つのことに取り組む時間は、

とても貴重で気持ちの良いものです。

 

ぜひ、経験してみてください♪

 

初めての方、初心者の方へ

分かりやすく指導させていただきます。

簡易金継ぎや、金継ぎキットなどで経験のある方も、

本格的な方法についてお話することができますので、おすすめです。

 

会員コースもあります!

入門コースで一連の流れを習った後に、

継続コースでさらにりかいをふかめていくことができます。

 

うづまこ金継ぎ教室

うづまこ陶芸のホームページ≫

 

こんにちは、

東京タワーの近くにある「うづまこ陶芸教室」の2階にオープンした

「うづまこ金継ぎ教室」です。

JR田町や都営地下鉄三田線三田駅、大江戸線赤羽橋駅から

徒歩圏内です。

 

今日は、

簡易金継ぎと本格金継ぎの違いについて

話していきたいと思います。

 

割れてしまった器を修復する日本の伝統技法「金継ぎ」。

今日の会員さんは前から金継ぎに興味があり、

手軽にできる簡易金継ぎキットを購入してトライしてみたそうです。

 

簡易金継ぎの手軽さには驚きましたが...

いつか、もっと本格的な金継ぎに挑戦したいと思うようになっていました。

そして「うづまこ金継ぎ教室」スタートの話しを聞いていらっしゃいました。

 

簡易金継ぎ


簡易金継ぎは、合成樹脂や接着剤などを使って割れた器を修復する方法です。

必要な道具も少なく、短時間でできるので、初心者でも気軽に挑戦できますね。

簡単に、割れてしまったお気に入りのマグカップを簡易金継ぎで修復することができるのです。

接着剤で割れた部分をくっつけ、金色の塗料で仕上げる工程は、まるで壊れたパズルを組み立てるようで、きっと楽しいですよ。そして、修復されたマグカップは、割れた部分が金色に輝き、生まれ変わります。

 

本格金継ぎへの挑戦


簡易金継ぎを体験された方の多くは、もっと本格的な金継ぎに挑戦したいと思うようになりますよね。本格金継ぎは、天然の漆や金粉などを使って修復する方法で、より高度な技術と時間が必要です。

うづまこ金継ぎ教室では、漆を専門として大学でしっかりと学んできた講師が、漆の扱い方から金粉の蒔き方まで、丁寧に教えています。

 

簡易金継ぎと本格金継ぎの違い


本格金継ぎと簡易金継ぎの最大の違いは、材料と工程です。

項目 簡易金継ぎ 本格金継ぎ
材料 合成樹脂、接着剤、金色の塗料など 天然の漆、麦漆、金粉、砥の粉など
工程 接着、研磨、彩色など 接着、錆付け、刻苧付け、漆塗り、金粉蒔きなど
時間 数時間~1日 数週間~数ヶ月
仕上がり 比較的均一で光沢のある仕上がり 自然で深みのある仕上がり
耐久性 比較的低い 高い
安全性 食材に触れるものには不向き※使用する材料によります。 食材に触れるものにも使用可能

 

本格金継ぎは、漆を扱うため、かぶれる可能性や乾燥に時間がかかるなど、注意すべき点がいくつかあります。しかし、その分、仕上がりは美しく、耐久性も高いのが特徴です。

 

本格金継ぎの奥深さ


会員さんたちは、金継ぎ教室で本格的な金継ぎを体験して、その奥深さに驚いています。

「細かい作業だとは知っていたけど、こんなに丁寧に時間をかけていくとは思わなかった。」

「作業に没頭できて、とても楽しい!」そんな声をいただいています。

漆の扱い方一つで仕上がりが大きく変わりますので、丁寧に指導させていただきます。

また、金継ぎは単に器を修復するだけでなく、割れた部分を新たな景色として捉え、美しさを引き出す日本の美意識が込められています。

 

金継ぎを通して得られるもの


金継ぎを通して、物を大切にする心や、日本の伝統文化の素晴らしさ、それだけではなく静かに集中する心地の良い時間をきっと感じることができるでしょう。

そして、何よりも、壊れたものが美しく生まれ変わる金継ぎの魅力に、すっかり魅了されるかと^^

ぜひ、ご自身だけの金継ぎ作品を作っていってほしいです。

 

最後に


簡易金継ぎは、手軽に金継ぎを体験できる素晴らしい方法です。しかし、本格金継ぎは、より高度な技術と時間が必要ですが、その分、仕上がりは美しく、耐久性も高い、そして時間をかけた分愛着がわいてくるのが特徴です。

金継ぎに興味がある方は、ぜひ一度、本格金継ぎに挑戦してみてください。きっと、金継ぎの奥深さと魅力に魅了されるはずです。

うづまこ金継ぎ教室会員コース≫

うづまこ金継ぎ教室体験コース≫

上部へスクロール